ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ戦②
前回に引き続きライオンズ戦について書いて行く。1つのテーマで記事を跨ぐことが無かったので記事の冒頭をどのように書けばよいのか少し迷ったところである。
それはさておき、今回はライオンズ戦の総括をしていこうと思う。スタッツはFOXSPORTSの記事を参考にさせていただいた。
https://www.foxsports.com.au/rugby/internationals/match-centre/IRB20210101/stats
まずはこのゲームの主なスタッツを見ていきたい。(L:ライオンズ J:日本)
○前半
・得点
L 21-0J
・ポゼッション(ボールを持つ割合)
L 48%-52% J
・テリトリー(地域支配率。この数字が大きければ相手陣地で長くプレーできていることとなる。)
L 51%-49% J
・ペナルティ(反則)
L 5-8 J
L 0-2 J
○後半
・得点
L 7-10 J
・ポゼッション
L 31%-69% J
・テリトリー
L 66%-34% J
・ペナルティ
L 8-4 J
・スクラムペナルティ
L 1-0 J
日本が息を吹き返した後半のスタッツを見ると、テリトリーこそライオンズが上回るものの、ポゼッションではライオンズを圧倒し、相手より少ない反則で戦うことができた結果として7-10のスコアに繋がったことがわかる。
ではライオンズペースで進んだ前半のスタッツはどうだろうか。ポゼッション・テリトリーは互角だが、ペナルティにおいてライオンズを3つ上回ってしまった。また、その8つの反則の内の2つは、後半では無かったスクラムでの反則であった。これらの反則により、エリアを下げられることでライオンズのスコアに繋がったと考えることができる。
しかし、ここで少し変だとは思わないだろうか。何故日本がライオンズより3つ多く反則しただけで、21点も差が開くのか。ポゼッション・テリトリーは互角であったのだから、もう少しスコアができたのではないかと。
実はスタッツには載っていない部分で前半日本がライオンズより大きく劣る部分があった。それは「ボールロストの回数」である。
私が数えただけでも、ボール保持者がタッチに出される・パスミス・ラインアウト・パイルアップ・ノックオン等、日本がライオンズにボールを渡してしまった回数において前半ライオンズが4回に対し、日本は12回であった。(後半はライオンズ7回、日本9回)
トップリーグ・サンウルブズ戦を遥かに上回るライオンズのプレッシャーもあったが、8回も多く相手にボールを渡してしまっては、自分たちのアタックの機会が損なわれ、スコアに繋がりにくくなることは間違いないだろう。
しかし、今の日本代表の凄いところは先程スタッツで挙げたように前半の流れをズルズル引きずるのではなく、後半修正し見せ場を作ったところ、そしてそれを遂行できるチームとしての力である。アイルランド戦までの短い期間ではあるが、セットプレー共にできるだけ長くボールを保持できるよう修正すれば、勝機は必ずあると信じている。