徒然なるままに

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ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ戦①

6月26日、スコットランドBTマレーフィールドにて日本代表にとってはおよそ1年8ヶ月ぶりの国際試合が行われた。

 

相手はブリティッシュ&アイリッシュライオンズ。1888年から続く歴史と伝統のあるチームだ。未だコロナ禍が続く中、試合の相手として選んでくれたライオンズに感謝したい。そして、ライオンズに負傷者は出たが、両チームコロナ感染者を出すことなく無事に試合を終えてくれてホッとしているところである。

 

 

早速ではあるが試合の結果は、28-10で敗戦となった。

 

 

この結果に試合を観た皆様はどう思っただろうか。

 

 

私としてはライオンズ相手に「善戦」したと感じている。

 

前半こそライオンズのペースで試合が進むも、後半だけのスコアで言えば10-7と日本代表はリードしていた。そして試合終了まで日本代表はアタック・ディフェンス共に緩めることなく最後まで粘り強く戦い抜いた。およそ2年近く代表としての活動がストップしていたチームがここまで戦えること自体が凄いと感じたし、何より日本代表の自力が高まった証となったのではないかと考えている。

 

 

では今回の試合を複数の記事を跨いで、自分なりに掘り下げてみようと思う。

 

 

前回の投稿では、引退した福岡堅樹が務めていた11番ウィングは誰になるのかということに触れた。

 

今回の大一番においてジェイミー・ジョセフHCは、この春に天理大学を卒業し、近鉄ライナーズに入団したルーキーであるシオサイア・フィフィタを抜擢した。ライオンズ戦の出場メンバー23人の中で一番のサプライズではなかろうか。正直私も驚いた。

 

フィフィタは、高校生になる時に留学生として日本にやってきたトンガ出身の選手である。強靭なフィジカル・スピードを武器とし、天理大学3回生の時にはサンウルブズにも選ばれたJAPANラグビーの未来を担う逸材である。4回生の時には、副主将としてチームを牽引し、自身最後の大学選手権で悲願の初優勝を成し遂げた。そして、ルーキーイヤーとなる今年、日本代表に選出され、名誉あるライオンズ戦で代表デビューを果たした。

 

大分合宿中のJSPORTSのインタビューにおいて「ポスト福岡の候補は出ている?」という質問にジェイミーは、フィフィタを候補に挙げ、彼のフィジカルやスキルを高く評価していた。フィフィタの起用に関して確かな布石をここで打っていたことがわかる。

(11:58〜フィフィタへの言及)

www.youtube.com

 

 

フィフィタはセンターを本職としているが、今回はその隣のウィングでの出場となった。

 

ウィングとしては、天理大学3回生の時にサンウルブズで5試合出場している。フィジカルは通用していたが、ウィングとしてのディフェンスやボールキープに苦戦していた印象があったのを覚えている。

 

 

今回の試合においても、フィフィタは相手の鋭いステップでタックルをかわされるなどディフェンスに苦戦していたように見えた。しかし、ボールを持てば必ず前進するなどフィフィタの持ち味も随所に現れていた。

 

1ヶ月という短い準備期間、不慣れなポジションでの出場、そして相手はライオンズ。フィフィタの日本代表デビュー戦としてはかなりタフな状況であったことは間違いない。

 

その中で今出せる全ての力をフィフィタはこの試合で出してくれていたと思う。この貴重な経験を糧に更に逞しく成長してくれることを願っている。